痩せる薬として有名なものがいくつかありますね。
中でも「サノレックス」や「ゼニカル」は特に有名です。
「痩せる薬ってのがあるんなら、それで使えばよくない?」と思う人も多いと思います。
でも、痩せる薬は「よほど」のときにしか使ってはいけないものです。
なぜか?を簡単にいうと、
- 一生を台無しにするような体の壊れ方をするばあいがある、
- 死亡する危険もある
からです。
話は少々ズレますが、大切なことですので「薬とは何なのか」についてお話しします。
「薬」のお話
薬って何でしょう?
効果の高いものが薬で、効果の弱いものがサプリ・・・
だと思っている人もいらっしゃるようですが、全然違います。
薬は「副作用」や「危険性」があるため、国の認可が必要なものをいいます。効果の高さは直接は関係ありません。
危険度が比較的高くはなく、市販されているものを一般用医薬品といい、個人または薬剤師の判断で、薬局などで購入し使用することができます。危険度の高い順に「第一類」~「第三類」に分類されます。
対して、副作用が大きかったり、人体に危険を及ぼす可能性があるものは医療用医薬品といい、医師から処方され、医師の指導のもとで使用しなければなりません。
なぜ医師の指導が必要なのか?を簡単にいうと、
- 正しく使用しないと大変なことになる
- この薬を使用しても大丈夫な体質か、検査してから使用しないと大変なことになる
- 投薬の経過を観察しないと、大変なことになる
からです。
ほとんどの人は、医療用医薬品を使用しなくてもよい・・・というか、使用しない方が良い人です。
それでも、「肥満」による健康被害と薬による健康被害を天秤に掛けた場合に、
薬での健康被害よりも
肥満での健康被害の方がヤバい!
と判断されたときに、医療用医薬品は処方されます。
医薬品は「効果の高さ」ではなく、「危険度」に応じて
医師の判断>薬剤師の判断>個人の判断
で購入・使用できる薬の種類が決まるのです。
飲むだけで痩せる薬の種類
市販薬(一般用医薬品)
ドラッグストア等で購入できる医薬品は、ほとんどが第二類医薬品(危険度:中)で、科学合成薬でなく漢方のものです。
ナイシトールやコッコアポが有名ですね。
裏面に副作用や、こんな人は使用しないで、が書いてあります。
その中にあまりにもサラッと「重篤な副作用」も書いてあります。
これらを読んで、「自己判断」で購入して使用することができます。
もちろん、「一生ついて回る重篤な副作用」が起こる可能性もあります。
が、起こっても「自己責任」です。
処方薬(医療用医薬品)
現在日本で肥満治療の医療用医薬品として厚生労働省の認可が下りている医薬品は、
「サノレックス(マジンドール錠)」だけです。
この薬は「食欲」を抑える薬です。食べなければ痩せるのは当然ですね。
ところがこの薬、依存症があるため長期間の使用は認められていません。最長でも3ヵ月までです。
また、食べなくても平気・・・どころか、食べるのが嫌、になる場合もあり、本当に「食べない」状態になって栄養不足に。お肌も体もボロボロ、おまけに摂食障害(拒食症など)で薬の効果とと関係なく食べることができなくなり入院・・・。ということも実際に起こっているようです。
そんなわけで、
「痩せたいのでサノレックス下さい」病院でいっても、簡単に処方してくれません。
よほどの肥満状態でないと処方されない危険な薬なのです。
ゼニカル(オルリスタット)
ゼニカルも有名な「飲むだけで痩せる薬」ですね。
食事から摂る脂肪分を30%カットしてくれる薬です。
日本では承認されていない薬ですが、アメリカではドラッグストアで普通に買えるそうです。
・・・というと、安全な薬のように思えますが、そうではありません。
まずこの薬、アメリカのFDA(厚生労働省のような機関)で承認されていますが、
このFDAからも重篤な副作用(肝不全など)との関連性を疑われています。実際にサノレックスとの関連性が否定できない重篤な副作用が複数あるからです。
それでも現在でもドラッグストアで購入できるわけですが、アメリカの医師団からはこの薬の販売を中止するよう、FDAに要請されています。
日本では武田薬品が製造販売する権利を取得し「オブリーン」という名前で販売する予定でしたが・・・。上記のようなことが理由かどうかは分かりませんが、未発売のままその権利を返還しています。
その後何年も経ちますが、ゼニカルはまだ未承認薬のままです。承認される見込みがないのか、薬害のリスクに見合っていないからなのか、分かりませんが・・・。
ゼニカルを日本で販売しよう!という製薬会社は、いまだ現れていないようです。
ちなみにこの薬、副作用は数多くあり、中でも気をつけたいのが「脂溶性ビタミン」が溶けた脂肪分も、ビタミンと一緒に排出してしまうため、ビタミン欠乏症の恐れがあります。使用するときはビタミンを含む食品を意識的に多く摂取する必要があります。
MDクリニックダイエット(ホスピタルダイエット)
その他、国内未承認の薬
- 一生デブ
- 一生お肌ボロボロ
- 一生病院生活
- 一生続く吐き気や痛み
これだけなら「自己責任」で済むかもしれませんが、
一生その面倒をみる親御さんのことや、数限りある病院のベッドを占有すること、国の医療費のお世話になることは、自己責任だけではありません。
なにより、「人生を楽しく生きたい」から痩せたいのでは?
未承認の飲むだけで痩せる薬を使用しても、
おそらく、そうならない確率は意外に高く、
また、それとは真逆の人生を送る可能性も、決して低くはありませんよ。